「アイツ…あんなことも
出来んのか?」
十文字先生は腕組みしながら、無我夢中に修理している安藤君を見ていた。
「それは、わかんないですけど…」
僕は両手を前で組み、安藤君の後ろにポツンと立っていた。
「…正しかったな。」
「えっ?」
十文字先生はボソッと呟いた。
僕はよく聞き取ることが出来なかった。
「こっちの話だ。
それじゃ、これ以上壊すなよ。」
十文字先生は放送室を出ていった。
アハハ…やっぱり気づいてたのね。
戸のことに何も突っ込まないと思っていたけど、さすがに気づかないはずはないか。
「…よしっ!完璧!」
早っ!
まだ十分しか経ってないのに。
安藤君の顔は真っ黒になっていた。
「あの…ハンカチどうぞ。」
僕は安藤君に、真っ白のハンカチを差し出した。
「じゃ、遠慮なく。」
安藤君はニッと笑って、僕のハンカチで顔を拭いた。
そして、ハンカチを真っ黒にして返した。

