私はとっさに、先生の方に走っていた。 「悠莉!?」 先生は驚いている。 隣の女の子もびっくりしてこっちを見ている。 先生、その子は誰? 『・・・』 聞きたいけど、怖くて聞けない。 もし、先生が離れてしまったら…と思うと声さえも出なかった。 ……私は、この時自分の事しか考えていなかったんだ。 だから、先生の気持ちを確かめる事すらしなかったんだ。 『先生…ひどいよ。』 「え!?何?ちょっ、待てよ」 私は、愛弓のいる校門へ走った。