いつもと同じように全力で真夏の日差しと格闘したぼくは、荒い息をつきながら玄関を開ける。
静流に会える喜びで破裂しそうなほどに胸をパンパンにして。
異変はすぐに感じた。
静流が出て来ない。
背筋がしん、と、冷たくなった。
ぼくはすぐにでも二階に駆け上がりたくて、
・・・でも足が言うことをきかず、
のろのろと階段を上り、
ゆっくりと、
ドアを開けた。


静流は部屋の中央に倒れていた。