「手当て、終わりました。」




「あっありがとうございます。」




上手だったからか、あまり痛くなかった。




男の子が立ち上がる。




「家まで送ります。」




そこまでしてもらうのは…悪いよ…。




「大丈夫です。」




「そうですか。では、玄関まで。」




少し残念そうな表情を浮かべる男の子。




申し訳ないけど…心臓がいくつあっても足りないから。




こんなカッコいい男の子と並んで帰ったりしたら。




だから…気持ちだけで充分です。