男の子は、慣れた手つきで手当てしていく。 き…緊張しすぎて倒れそう…。 この空気に耐えられない。 何か話しかけよう…。 「て、手当て…上手ですね。」 そんな言葉しか浮かばなかった。 彼はニッコリと笑って答えた。 「はい。父が保健の先生をしているんです。」 へぇ、すごいな。 「僕もよくけがをしたので、自分で手当てするようになって、慣れました。」 嬉しそうに話す男の子。 不覚にも、胸がキュンッとなった。