「何で泣きそうな顔してんの?」 そう言われて、ハッとした。 …何で泣きそうなんだろう。 何がこんなに悲しいの。 この気持ちは、一体何なんだろう。 「何でもない」 「ふーん」 まだ気持ちが動転してるだけ…。 涼の言葉に傷付いたわけじゃない。 「あっ…」 「何?」 「血…」 ふと視界に映った、血。 涼の口が切れていた。 殴られた時かな…。