目の前にいる涼は、本当に別人で。




ただ…メガネをしてないだけなのに。




印象が、全く変わってしまう。




「…大丈夫か?」




そう言って、あたしに近付いて来る涼。




あたしは、咄嗟に一歩後ずさった。




「…怖がんな」




その声が切なくて。




とても悲しそうに見えて。




胸が、ズキッと痛くなった。




「ごめんっ…」




怖いわけじゃないの。




ただ、頭の整理が出来ないだけ。