「お前のこと気にいらなくてよー」 お前…? それって、涼のこと…? 「こーんな地味男がさ、俺らに命令とかあり得ないっしょ?」 笑い方が、気持ち悪い。鳥肌が立った。 「…っ」 男達が一歩、あたしたちに近付いた音がした。 涼の背中で、男達は見えない。 「…地味だったらさ、弱ぇの?」 涼はそう言って、フッと笑う。 「てめぇ…まじでムカつく」 そんな男の声が聞こえたと同時に、鈍い音が響いた。