「あたし、負けないから。」 席から立って、蘭ちゃんをまっすぐに見つめる。 「痛い目に遭うよ?いいの??」 「いいよ。」 だって、気付いたんだもん。 「涼の近くにいられない方が、もっと辛いから」 涼から離れるなんて、あたしには無理だ。 「そんなの全然怖くない」 「……」 蘭ちゃんが黙った。 ここで負けるわけにはいかない。 涼は、誰にも譲れないもん。