やっぱり兄は帰ったらしく、 気が付くとその姿はどこにも無かった。 ……まだ、両親は帰ってきてないのに。 時刻は夕方。 遅い、かな。 晩御飯の事もあるし、 遅くなるなら、そうと連絡が欲しい。 丁度そう思った時、電話が鳴った。 影が差す位置で鳴る電話は、 根拠は無いけど、どこか嫌な感じがした。 まるで深夜に鳴ったように。