帰ってきてね



「あ、むしろこれでいいよ」


本人もいいと言ってるし、
しょうがない、キュウリで馬だ。

そして割り箸を折ろうとしていると、
突然に兄が声を上げた。


彼が指さしているのは、
夏休み前に俺が組み立てた、
バイクのプラモデルだった。


「……どんだけ急ぐ気っすか……」

「まあ、いいじゃないか」

食べ物使わなくていいし、
明日にでも戻せばいいし。


そう言う兄に丸められ、
それならと、仏壇にプラモを置いてみた。