「セレナ~!」


ギュッ


旅館に着くと入口で待っていた春が私に抱きついてきた。



「春…ありがとう。」

私も春を抱きしめた。


「早く行くぞ。」


そんな私達に亮は少し冷たく言った。


「なによー。亮、冷たい。」


私は亮に腕を絡ませた。



「「いらっしゃいませ。」」


旅館の中に入ると30前半くらいの女の人二人が出迎えてくれた。


「予約してた片桐です。」


亮が言うと、旅館の人二人が頬を赤らめて私達を案内してくれた。