その音は私にも聞こえた。 …亮がキレた音。 その音がした直後に亮が男達を殴った。 亮が一回殴っただけで、男達は倒れたまま動かない。 しばらく人を殴る音だけが聞こえた。 私は怖くなって、耳を塞いで目を閉じた。 ジッと待っていた。 「…セレナ…」 亮の声がして、私ゆっくりと顔を上げた。 そこにはいつもの優しい笑顔があった。 男達の方を見ると… 「あれ…?いない。」