年上ヤクザ




ビリッ


亮が私の服を破った。


「…うっ…りょ…やめ」


「やめない。」


その時の亮の目はありえない程冷たかった。


「…林檎…んっ!」


圭介とのことを話そうとすると、亮が私の胸に顔を埋めた。



「…亮…林檎…」


それでも涙を流しながら私は言った。


「…林檎?」


しばらくして、亮が顔を上げた。


「…林檎がどうした。」


まだ亮の目は冷めている。


「…うっ…圭介が…林檎…好きかって…」



そう言った瞬間、亮の瞳が揺れた。



「…林檎…」


私は頷いた。


「「―――…」」


沈黙の後…



「…セレナ…ごめん!」


亮が慌てて私の上からどいた。


私はまだ涙目だった。