「はあっっ…はあっっっッ…」 病院からわたしの家までの距離はさほど遠くない。 走って5分そこらで着いた。 でも―― 何もなかった。 わたしの家だけが綺麗に、 なくなっていた。 (そうか。わたしは全てを失ってしまったんだ。) わたしはその場で、泣き崩れた。 雨が降ってきた。