「はぁ、はぁ、どうしよっ、間に合わないかも!!」

無事に絵の具セットを取り、来た道をダッシュで戻る。

「あーどうしよう!!」

半ば諦めて足を止めようかと思ったところ…

「あれ? まひる? どしたの?」

うしろから声がした。
あ、同じクラスの耕平だ。
授業中うるさくしてしょっちゅう先生に叱られてるやつ。

「耕平こそっ!」

一生懸命息を整えながら聞いた。

「オレ? あー、う●こしてた。まひるは絵の具セットとりに帰ってたの?」

「うん」

「てかオレら完璧に遅刻じゃん」

「えっ?うそ?」

「もう朝の会の今日のお知らせぐらいじゃね? よし、これは最終手段だ」

「最終手段って?」

「まひるだけに近道教えてやる。まだ直にも龍にも言ってないから言うなよ」

「えっ? あっ、うん」

そういうと、耕平はあたしの手を取って走り出した。