「…誰もいない。良かった」 ふぅー…と胸を撫で下ろし、非常階段に腰を下ろした。 非常階段は青空が晴れ渡り、心地好い風が吹き抜けている。 階段はひんやりしていてちょっと冷たい。 朝のこともあって、瀬野くんとは何だか一緒に居づらい。 それに菜々ちゃんの気持ちを知った今、菜々ちゃんに内緒で瀬野くん達と一緒に過ごせない。 そう思って一人で過ごせる場所を見つけた。