「えぇ〜。歌ってよ」


ムスッと拗ねたように話す瀬野くんにドキドキする。


小さい子供みたい…。



「…恥ずかしいし、無理…だよ」


「じゃあ俺も歌うから歌って」


「えぇ!?」


何でそうなるの!?



「無理だよ」と言い続ける私を無視して、瀬野くんは曲を選び始めた。



「何、騒いでんの?」


「菜々ちゃん!どうしよ…っ!?」


隣でジュースを飲み、不思議そうに私と瀬野くんを見つめる。



「瀬野くんが歌えって…。無理だよー」


半泣きになりながら菜々ちゃんにしがみつく。