キミを想う。




「あっ!ユキ!?何その格好」


背後から聞き覚えのある声が聞こえてきたかと思うと、私の姿を見て驚いた声をあげた。



「えっ!?ゆず?!」


「きゃあ!!」


振り返ると顔に血が垂れた姿のドラキュラ菜々ちゃんが立っていた。


その姿に思わず叫び声をあげて、ユキくんにしがみついてしまっていた。



「な、菜々ちゃんか…。びっくりした」


ホッと胸をなでおろす私に、「ひとを見て叫ぶなんて失礼ね」と菜々ちゃんは笑った。



「それより何その格好。不思議の国のアリス?」


「あっ!こ、これは…」


チラッとユキくんの顔を見ると、ジッと私を見下ろしていた。


えっ!?怒ってる!?



「…ゆず、ユキに引っ付き過ぎ」


菜々ちゃんがゴホンと咳払いを軽くし、私とユキくんを交互に見る。



「ご、ごめん!!気付かなかった…」


慌てて手を振りほどき、菜々ちゃんの方に引っ付く。


怖いものにびっくりするたびに瀬野くんやユキくんにしがみついて、申し訳ない気持ちになる。


無意識って恐ろしい…。