キミを想う。




「次、どうぞ」


ドキドキしていると遂に順番が回ってきた。


入口で懐中電灯一つを手渡され、真っ暗な教室へと足を踏み入れる。



「スゲー。真っ暗だな。懐中電灯の灯りだけとか怖ぇな」


そう言いながらも嬉しそうに進んでいく瀬野くんから離れないようについていく。



ガタッ!!


「ひゃっ!?」


突然、暗闇の中、物音が聞こえ思わず叫んでしまう。



「大丈夫か?!」


「…あ、は、はい。って、ごめんなさい!!」


またしても恐怖から瀬野くんの腕にしがみついていた。


しかもさっきよりもがっちりと。

 
慌てて手を離すと、瀬野くんは優しく笑いながら、「いいよ。掴んでて」と腕を差し出す。



「あ、ありがとう…」


もう瀬野くんとの密着の恥ずかしさや緊張よりも恐怖心の方が勝っていた。



暗闇の中、突然出てくるおばけ役の生徒に毎回驚き、半泣きになりながらもやっと教室の外へと出ることが出来た。