キミを想う。




「まぁ、加穂のことは置いといて、菜々子んとこ行こう」


アメリカンドッグを食べ終えると、瀬野くんは校舎へと歩き出した。



加穂さんの話題は禁句なのかな…。


何かあったのか気になるが、今は瀬野くんとの文化祭を楽しむことにした。



菜々ちゃんの教室に着くと二組並んでいて、お化け屋敷の中から女子生徒の悲鳴が微かに聞こえてきた。



「えっ?!今、悲鳴が聞こえた気がする…」


「した?聞こえなかったけど」


隣で順番待ちをする瀬野くんの腕を思わず握ってしまう。



「やめとく?無理しなくても菜々子なら怒らないだろ?」


顔を覗き込んでくる瀬野くんにドキッと心臓が跳ねる。


久しぶりに顔を近付けてきた瀬野くんから慌てて視線を逸らす。


最近は前より顔を近づけてくることはなかったが、今日は文化祭で周りが煩いからか、久しぶりに私の声に耳を傾けてきた。



「だ、大丈夫…。な、菜々ちゃんと約束したし」


恐怖のドキドキと瀬野くんへのドキドキと心臓が激しく鳴り、おかしくなりそうだ。