キミを想う。




「何か食べて帰る?」


瀬野くんがフードコートを指差す。


「甘い物食べたい!行こう!ゆずちゃん」


私の手を引っ張る加穂さんに、私の「あ、あの…」と言う小さな声が届かなかった。



手を引っ張られ、混んでいるフードコートで空いている席を皆で探し、なんとか席の確保が出来た。



瀬野くんはハンバーガーセット、加穂さんはドーナツを買い、他愛もない話をしつつ食べ始めると、ユキくんがペットボトルの水を持って戻ってきた。



「はい」


「えっ?」


「それと交換」


突然のユキくんの発言に、皆で私の食べているソフトクリームとユキくんが買って来た水を見比べる。



「ユキ?ソフトクリーム欲しいなら買ってきたら?」


加穂さんはびっくりした表情でユキくんに声をかけるが、ユキくんは安定の無反応で私のソフトクリームと水を交換した。



「えっ、それ…口つけちゃって」


そんな私の言葉を無視してソフトクリームを食べ始めた。


相変わらずマイペースな奴だな…と瀬野くんと加穂さんは呆れたように笑っていたけど、私はユキくんの優しさだと分かった。