「ゆずちゃん!ごめん!!ホラー映画苦手だなんて思わなくて!」
映画が終わり、外に出ると先に上映が終わっていた瀬野くんと加穂さんがロビーで待っていた。
加穂さんは私達が出てくるのを見つけると、一目散に私の方へと駆け寄ってきた。
「い、いえ!私も何の映画が聞かなかったのがいけなかったんで。それに折角誘ってくださった映画なのに、勝手に変更しちゃってごめんなさい…」
「全然いいよ!」
「で、でも…瀬野くんと二人は気まずいからって誘われたのに、何のお役にも立てなくて…」
本当に私は何をやってるんだ…と自分の不甲斐なさに涙が出る。
「あ!そうだったね。映画に集中し過ぎて郁斗のこと忘れてた」
あはは!と笑う加穂さんは本当に瀬野くんとの気まずさを忘れていたようだった。
「ホラーが苦手とか普通分かるだろ。加穂ぐらいだよ。ホラー大好きな女なんて」
呆れたように瀬野くんが会話に加わってくる。
「ごめん、ゆず。俺も何の映画か確認して誘うべきだった。ユキが変更してくれて良かった」
「ううん…私こそごめんなさい。ユキくんもありがとう」
「…別に」
相変わらずの表情と返事だけど、ユキくんの優しさが嬉しかった。



