キミを想う。





「……俺らも行く?」


それまで黙って見ていたユキくんに視線を向ける。



「あ、あの…ユキくん」


「なに?」


「この映画って、怖いやつですよね?」


チケットをヒラヒラとさせていたユキくんは一瞬動きを止めて私の顔をじっと見つめると、「嫌いなの?」と訪ねてきた。



ホラー映画が昔から苦手で、ホラーとまではいかなくても血が出るような映画は得意ではなかった。


どうして加穂さんはこんな怖い映画をデートで観ようとしてたの?!



「…やめとく?」


「えっ?……だ、大丈夫です」


ずーん…と暗くなる気持ちを我慢して答える。


大丈夫…。

一人で観るんじゃないから。


と、ガタガタ小刻みに震えながら自分に言い聞かす。




「ちょっと待ってて」


ユキくんは一言言うとどこかへ姿を消した。