キミを想う。




「そんなことない!花火は一緒に見るのは無理だったかもしれないけど、お祭りは楽しめました!キレイな浴衣姿も見ることが出来ました!それはすごくラッキーなことだと思います!」


私も菜々ちゃんも、瀬野くんと付き合えないし、片想いだけど、一緒に花火大会に行くことが出来た。


たったそれだけでも、好きな人と過ごせることはすごくラッキーなことだと思うから。



「…ははっ。そうだな。ゆずの言う通りだな」


つい熱くなっている私を見て、瀬野くんは笑いが込み上げてきたみたいで、「あははっ、ゆず最高」と大きな笑みを浮かべた。



「まさかゆずにそんなこと言われるとは思わなかった」


「えっ、あ…っ、ご、ごめんなさい!」


調子に乗って何を説教みたいなこと言ってるんだ!と恥ずかしくなる。



「別にいいよ。ゆずの言う通りだし。まぁ、兄貴が加穂のこと泣かせなかったらいいし」


そう言って苦笑すると、「それにしてもいつまで隠れてんだよ」と近くにある木の方へと視線を向けた。



「話なげぇんだよ」


「たこ焼き冷めたし」


「悪かったって。てか盗み聞きしてんなよ」


いつ戻ってきていたのか、三和くんとタケくんが団扇を扇ぎながら木の影から出てきた。