「加穂があいつのこと好きなの薄々気付いてて、でも相手にされてないと思って余裕こいてた。だから、あれ?こいつも加穂のこと好きだったっけ?ただの"幼なじみ""妹"じゃなかったの?って、散々、相手にしてこなかったくせにってめっちゃ怒り爆発で、あいつのこと殴ってやろうかと思った」
「けどさ、俺に殴る資格ないよな…と思って。あいつの隣で幸せそうに笑ってる加穂見てたら、わざわざ俺の気持ち伝えて困らせる必要ないし、そもそもさっさと自分の気持ち伝えられなかった俺が悪いんだし…って」
「今ももう伝える気はないんですか?」
瀬野くんも辛い片想いをしていることが分かり、私まで少し苦しくなる。
「ないよ…。それに拓斗って…」
少し間をあけて言葉を続ける。
「…兄貴だし」
「えっ?」
「拓斗って俺の兄貴」
「今、高三で受験生で、あまり加穂に構ってないみたいで、あいつ寂しい思いしてて。今日も一緒に花火行けてラッキーって思ってたんだけど、やっぱり上手くいかないよな」
そう言って苦笑する。



