何人の生徒を沈めて何発のパンチを食らったかも分からなくなってから、ようやく僕はカウンターまでたどり着いた。

ヤキソバパンはどこだ……まだ残ってるんだろうな……あった!

しかしあるにはあったが残り一つ!

その最後のヤキソバパンに誰かの手がのびる。慌ててその手を払いのけて自分も手を伸ばす。

取った、と思った瞬間誰かに襟首を後ろから掴まれ引っ張られてしまい、虚しく僕の手は空を掴む。

「まだだ、まだ終わらんよ!」

僕は叫びつつ襟首を掴んでいる奴をノールックで後ろ蹴りで蹴り飛ばし、もう一度ヤキソバパンに手をのばす。

僕の他にもほぼ同時にヤキソバパンに手をのばした奴がいた。

その時意識の全てがヤキソバパンのみに集中し、世界がスローモーションに感じられた。