フフッ。

僕はただ覚悟がないから悩んでいるフリをしていただけなんだろう。

レジ袋をガッチリ締めたのは何の為だ。

『防水』の為だろう。
きっと最初から僕は強行する気だったんだ。

川べりまで来てさっきKOしたお巡りさんBの脇に立ち、音をたてて流れる濁流を眺めた。

覚悟は決まった。もう迷いはない。

「陽子……僕の身に何かあっても解ってくれるよな?」

僕はここにはいない彼女に語りかけた。

ちなみに陽子はここにはいないと言うかどこにもいない。僕の脳内にのみ存在する『エア彼女』である。

彼女は「あなたなら出来るわ。頑張って!」と言ってくれた……気がする。

そうさ僕はやれる。彼女の励ましのおかげで僕はすっかりやる気になった。