コンビニを出て歩きながら小さめのレジ袋にヤキソバパンのみを入れ、中に空気を少し含ませながら口をガッチリ締める。

僕の前には往路と良く似ているが確実に異なる問題が立ち塞がっている。

『迂回するか強行するか』である。

しかし往路とは違い橋はもうなくなってしまったからには常識的に考えて迂回しかない。

だか昼休みが終わるまでに戻るにはそんな時間はない。

八方塞がりだ。

思わず見上げた頭上には青い空と白い雲。

雲の間の空に佐藤君の笑顔が浮かんで消えた。

浮かんだ笑顔の口元が異常に爽やかにキラリと輝いていたのは、きっと口元にLED電球を仕込んでいたからに違いない。

そんな事を考えたらクスリと笑みがこぼれた。