くるぶしまで濁流に洗われながら残りの距離を走る。

僕が対岸にたどり着くのと同時に力尽きたように橋は中央部分から崩れ、次々と音もなく濁流に飲まれていった。

あと少し来るのが遅かったら……ここまでのどこかでちょっとでもためらっていたら……危ない所だった。

助かった事に気をとられて一瞬感慨にふけっていると、イキナリ肩を掴まれ振り向かされた。

「キミ、危ないじゃないか!通行止めになっていただろう。助かったのはたまたま運が良かっただけってわかってるか?」

それは対岸にもいた交通誘導のお巡りさんだった。

当然のお小言だが向こうにいたお巡りさんとは違い嫌みっぽく言葉にトゲを感じる。