雨も降っていないのに橋の上はビシャビシャだった。

足を止めずに駆け抜けるが、濁流に揉まれひび割れねじれていく橋がグラングラン揺れているのがわかる。

僕が橋に突入したあたりで上面も冠水していて、浅い所を選んで走るが時々水流で足をとられそうになる。

橋の中ほどを過ぎたた時に『ガガン!』という音とともに大きな衝撃が走り、タタラを踏んで立ち止まってしまう。

何事かと見回せば巨大な漂流物が橋に激突したらしい。

どうやらその衝撃は風前の灯だった橋の寿命にトドメをさしてしまったらしく、ひび割れが加速度をあげて拡大していき崩壊が始まる。

ヤバイ!完全に崩れる前に対岸にたどり着かねば!