車の途切れたタイミングで橋に向かって全力で一直線に駆け出す。

明らかに橋に向かっている僕に気付いた警察官が、アノ赤くて細長い赤色灯を振りながら注意してくる。

「ただいま橋は崩落の危険がある為通行禁止でーす。迂回してくださーい」

その姿はまるでライトセイバーをかまえるジェダイのようだったが、そんな事はゆわれんでもわかっとるわ!

僕は返事もせず走るコースも変えず更にスピードを上げた。

そんな完全に目が座った僕の様子を見てさすがに僕が強行突破する気なのに気付いたらしく、警察官の顔色が変わった。

「止まりなさい!この橋はもう本当にいつ崩れてもおかしくない。危険だ!」

両手を広げて僕の行く手をふさぐ体勢をとりながら警告してくる警察官。

悪意は微塵も感じられず、ただ義務感と親切心を感じる。

でも僕は行かねばならない。教室で待つ佐藤君の為に。

「問答無用!推し通る!」