生物の教科書や図録、それから筆記用具を抱えて教室を出る。生物の授業は、唯一実験を行ってくれる授業だ。それは、生物担当の教師が実験好きなおかげで、周りの教師から若干非難されながらも実験をさせてくれるのだ。
この高校は進学校である。大学進学率は七十パーセント以上であり、不良がいたり多少荒れていたりはするものの、レベル的にいえば下位層である高校ながら比較的平和だ。
しかし、進学校であるがゆえに、所謂詰め込み授業というものが推奨され、本来ためになるはずの実験というものをする時間的な余裕があまりないのだ。
授業放棄をする生徒がいないわけでもなく、髪を染めるたりピアス穴を開けたりするのは普通で、化粧の濃い女子生徒は全体の女子生徒の九割以上を占めている。進学校とうたいながらも、実際、その進学先は出来立てほやほやのボーダーフリーが大半だ。
自由席である生物の授業で、私はいつものように窓際の真ん中辺りの席に座る。まだ半分も生徒が来ていない。
ぼんやりと目を窓の外へ向けた。体育の授業前なのか、カラフルな髪色の男子生徒がじゃれあうように遊んでいる。
.
