漆黒の瞳

 



――問題を解き進めてはいるが、私は全く関係のないことを考えていた。


頭にこびりついて離れない、数日前のできごとのことである。


その日。私は三人の男に追い掛けられていた。





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「待てぇ!!」


「逃げんじゃねぇ!!」


「待ちやがれ、このクソガキ!!」



必死の形相で追い掛けてくる三人の男。


事の始まりはよくあるできごとで、街中を歩いていた私がこの男達にナンパされたのだ。


私は男好きでもなければ、ましてや遊び好きでもない。派手な身なりをしているわけでもないし、何か目を付けられるようなことをしたわけでもない。

化粧ですらたまにすることはあるがそれでも薄化粧で、ギャルのような俗に「パンダ」と揶揄される濃いメイクは一度もしたことはない。


青い縁の眼鏡をかけ、肩で切り揃えた髪は何色にも染めたことのない地毛の黒い直毛で、クォーターの私は瞳が青いがそれですらカラーコンタクトで黒に見えるようにごまかしていて、どこからどう見ても真面目で硬い人に見えると思う。


黒く短いパンツに長袖のTシャツ、少し肌寒いからと上着を纏い、ヒールの高い青いサンダルを履いただけの、もしかしたら中学生と間違えられるかもしれないような姿。


そんな私のどこに目を付けたのか、三人の男がナンパをしてきたのだ。