はぁ。と足元に視線を落としたとき、ちひろが、その男らしくごつごつした手を頭に乗っけてきた。
「…やめてよ。」
「まぁまぁ」
ぐしゃぐしゃとその手を動かし髪の毛を乱す。
「もぅ、やめてってば!」
ちひろの手を払い頭を触る
折角くくったのに。
まぁ、友達に見られてるわけでもないし、いっか。
「……お前はさぁ…、何事にも動じないなぁ…。」
は?と見上げたちひろの顔は少しだけ困ったように歪んでいた。
…別に
動じないわけじゃない…。
そう思ったけど、
涙が出なかったあの日のことを思い出して、案外そうなのかも。と少し納得した。


