「私、それ使う。親父の…」 私の言葉にお婆ちゃんは表情を明るくした 「…形見にする。」 「そうかい。そりゃあの子も喜ぶよ…。」 その帽子を深くかぶると 少しだけ、ほんの少しだけ、親父の匂いがしたようで なんだか、懐かしくなった 「さぁ、行こうかちせ。」 「あ、うん。」 はいている黒いプリーツスカートを翻し、家をあとにした。