「あら…羨ましいわねぇ~…苦しまずに逝くなんて」


「き、貴様ぁ!」


バンッ


私の言葉に我を失い、再び発砲したが私には当たることがなかった。


バンッ

バンッバンッバンッバンッ


「何故!何故当たらない!」


何度も発砲するが、私はそれをことごとくかわす。


バンッバンッ


カチッカチッ


そして弾切れになったのか、銃弾はとんでこなくなった。


「何をしてる!お前達も早く撃て!」


警官はそう叫ぶが、私を囲っている他の警官たちは誰も発砲しない。


否、発砲出来ないのだ。
手が大きく震えていて狙いが定まっていない。


「……無理よ。平和ボケしているあんたたちと違って、私はずっと闘ってきたんだから」


私は微笑みながら服の中に忍び込ませていた飛びナイフを投げた。


「ぐわぁぁぁぁあ!!」


そのナイフは警官の左腿に深くささり、ズボンをあっという間に赤く染めた。


他の警官達は戦意を喪失しているのか、それを黙って見ていた。


勿論、震えながら。