ゴポッ……


「…ッ……!」


目が開かない。

口が開かない。

喋れない。

気持ち悪い。

暗い。

怖い。

負の感情が私を支配する。


「――セツヒ」


誰かが私の名を呼ぶ。


「目を開けなさい雪緋」


その声で私は開かなかった瞼を思いっきりあげた。


けれど、片目しか開かなかった。


「(何で……?)」


「私を見なさい雪緋」


私は片目を開いたまま、声のする方を見た。


そこには妖艶に微笑む黒髪の女の人。


そう、あれは私の母。

血の繋がった正真正銘の母だ。

そして










私を殺そうとした人。