けれど、そんな政治家に復讐しようと考える者は一人たりともいなかった。


何故なら、自分が生きるので精一杯だからだ。

どうすれば生き延びられるか。

どうすれば空腹から逃れられるか。

どうすれば強くなれるか。


そして誰もが願うことは、どうすれば生きてスラムから逃げられるか、だった。


そしてそんなスラムには、ある一つの大きな古びた研究所があった。


そこは、強くなるために人と獣を合成したり、人ならざる能力を生み出すために作られた建物。


そんな建物に、ある一人の少女が囚われていた。