最初から平和などあるわけがない。


どんな平和な国でも、犠牲は付き物である。


30XX年、今は平和な日本でも沢山の戦争を行い、沢山の人々が死んだ。


そして平和な今でも、全てが平和なわけではなかった。


スラム。


それは、一部しか知らない死ぬよりも恐ろしい場所。


まさに、弱肉強食の世界だった。


共に支えあってきた親友に殺されることもあれば、血の繋がった親に殺されることもある。


勿論、その逆もまたしかり。


そして、そこの人間は国の法律から除外されている。


スラムの者を殺しても罪にはならない。


それは国がスラムの人間を見放しているという何よりの証拠だった。