boyshな女の子



《凪side》




『雲行きが怪しくなってきましたので、当初予定されていた騎馬戦は無しとします。繰り返します………』


校庭に出た瞬間流れてきた放送を聞いて、華鈴の顔はみるみる内に青くなっていった。




「急にどうしたの?なんかこの世の終わりみたいな顔してるよ」


華鈴は私をハッとしたように見つめると、ガッシリと肩を掴んできた。




「お願いしたいことがあるんだがいいか?」


「別にいいけど、」


「俺はこの後部活対抗リレーに出場しなければいけないんだが、…その時に俺の体操着を持って席に座って待っていてくれないか?」



華鈴の頼みを聞いて正直拍子抜けした。



真剣な目で言うから何を頼まれるかと思っていたが、何でも無いことだったので普通にOKだよと言ってしまった。





後でものすごく後悔するとも知らずに。