「…ちょ、………まっ…!」
視界の隅で華鈴が手を握り締めるのが分かる。
だが、すぐに手は開いて俺の体を押し始めた。
(約束を守ろうとしているのか……)
いくら男っぽいとはいえ、さすがに力で男に勝てるわけがない。
顔を赤くさせて必死に抵抗する姿が、俺を刺激する。
(……だけど……)
俺はゆっくりと華鈴から離れた。
華鈴は何が起こったのか分かってないような顔で俺のことを見る。
「何、固まってんだよ。もっとキスされたいっていうんだったらしてやるけど?」
その質問に我に帰ったのか、華鈴は脱兎のごとく屋上から姿を消した。


