《凪side》
「つっかれたぁ~」
長い入学式が終わり、体育館の硬いパイプ椅子から解放された華鈴はすぐに伸びをしていた。
「疲れたって言ってるけど華鈴ってばずっと寝てたじゃん!」
すぐさま私がツッコミを入れると、華鈴は「ばれた?」と悪ビレもせず笑っている。
いつものことだが。
「ねぇ、彼カッコいいね!」
「本当だぁ!!……ってスカート履いてるよ!?」
「えっ!あ、ホントだ……。ってことは女なの!?嘘っ、信じらんない………」
声が聞こえてきた方を窺うと女の子が2人こっちを見ながら話していた。
華鈴も気付いたらしくニコッと微笑みかけている。
「やばいっ!あの笑顔!!」
「カッコいい……」
たったそれだけで頬を染めてしまう彼女達。
確かにその気持ち分かります。
だけど華鈴は女だからね!?


