「そうゆうことだな」

「わざわざ忙しいはずの龍も来るって……どんだけお前の父親は金持ってんだよ」

「たくさん…なんじゃないの」

「アバウトだな!!」


そうゆうこと一切知らされてないからしょうがない。


「放棄するからっつってさっさとお引き取り願った」

「なるほどな……」


お前も大変だな……と華鈴は呟いた。


「そう、大変だったんだよ」


俺はドサッとベッドに寝転んだ。


「もうめんどくさいことはなくなったわけ?」

「たぶん」

「ふーん……」


すると華鈴は立ち上がって俺に近づいて来た。

そして俺の頭を撫でた。


「よかったじゃん」


華鈴の顔に心臓が跳ねた。


俺には滅多に見せない柔らかい笑顔が目の前にあった。

いつもその笑顔は赤澤に対してしか、しているとこを見なかった。


俺もようやく華鈴の内側に入れてもらえたってことか?


ハハッと笑う。


「何だよ急に?」

「別に?」


嬉しくてとは答えられずにそうはぐらかす。

俺は立ち上がると華鈴をベッドから立たした。