「体温計で熱測っとけ」
そう言い置いてどこかに行こうとした華鈴。
測りたいとは思うんだけどな…。
「俺の家体温計無い」
「はぁ!?」
無いんですよ。
こんなの使うことになるなんて考えてなかったし。
「…しょうがねぇなぁ」
呆れた顔をした華鈴は俺のおでこに手を伸ばす。
「んー…少し熱いか、微熱だな」
普通にそう言ってのける華鈴に俺はと言えば、 そんな突拍子もない行動にフリーズしていた。
すると華鈴は俺のことを見て聞いてきた。
「何食べたい?」
と。
「…何だよ」
俺の何に不満を持ったのか知らないが、俺の顔を見たあとの華鈴の顔は険しくなった。
「……文句あんなら作らないけど」
「…じゃあオムライス」
その注文にえー、と顔をしかめる華鈴。
「病人がオムライスって…。 まぁ、微熱だからいいのかな?」
悩みながらも立ち上がった華鈴は、ちょっと待っててと言いながら台所の方へ向かって行った。


