「……起きろって」
華鈴の肩を数回叩く。
「う〜?」
「ほれ起きな」
頬をぺちぺちと数度叩く。
「うーん…」
ようやく開いた瞳は焦点があってないようで、ぼんやりとしている。
「みずしろ…?」
舌足らずなその声はさっき無理矢理抑え込んだ理性を崩壊させかけた。
すんでのところで堪える。
「…なんで俺いつから寝て」
「それはこっちが聞きたいことだ」
心からな。
「もう6時かよ…」
目をこすりながら時計を見た華鈴は眉をしかめた。
「なんか用事でもあんの?」
「いや、2時間も居座っちゃったなーと」
でもそれは一瞬ですぐにいつもの顔に戻る。
「水城、熱は?」
「…分かんね」
自分の身体は少し火照ってるような気はする。


