《水城side》
こいつは…。
「いくらなんでも油断しすぎ…」
俺のベッドに伏せってる華鈴を見ながらため息をつく。
華鈴の頬に手を伸ばそうと頭をあげた時、頭に鈍い痛みが走った。
思わず顔をしかめながら、頭を揺らさないように慎重に起きる。
「突っ伏して寝てるし…」
何となくだが、こうなった理由は覚えている。
倒れた俺を介抱してくれたんだろう。
だが、病人とは言え仮にも男の部屋で寝るとか信じらんねぇ。
例え、どんなに疲れていたとしても。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずかスヤスヤと寝息が聞こえてくる。
舌打ちを打ってから華鈴に手を伸ばす。
起こすために。
肩に触れる直前、華鈴がもぞもぞと動いた。
そしたら今までは見えなかった顔が見えた。
瞬間的にまずい、と思った。
普通に肩を揺するつもりだったのに、気付いたら華鈴の耳に口を寄せていた。
「おい、起きろ」
心の中で思っていることに反抗してそれなりの声を出した。
なのに起きる気配は無い。


