boyshな女の子





俺に力があれば、とこれほどまで思ったことはない。

なんとかベッドに寝かした時には俺も汗だくだった。


そして俺は買ってきた冷却シートを水城に貼る。


「…なんでこんな状態で人と会ったんだ?」


息は荒いがさっきよりは苦しそうでない水城に尋ねるも、答えはない。

答えがないのを分かってて尋ねたから、それが当たり前だけど。


ふいーと息をつきながら水城のベッドにあごを乗せる。

寝顔はいつもの毒気が全くない。


(なんか可愛いなー)


クスッと笑いながら水城の髪を触る。


お、案外サラサラ。


いつもは遊ばせてる髪は、今日はワックスをつけてないせいか指に気持ちよかった。


そんな風に水城の髪を梳いてるうちに俺の記憶は曖昧になっていった。