何とか納得いったところで時計を見る。
時刻は1時。
授業まではまだまだ時間がある。
「今日は用事入ってんのか?」
「入ってないと思うけど」
「よし、さぼろう」
「そんな簡単に!?」
最近さぼりがちだったからな。
慣れって怖い。
このまま退屈な授業に戻る意味ってあるか?
折角久々に話せたっていうのに。
若干渋ってる華鈴の手を引く。
少し険しい顔をしてから華鈴は抵抗しなくなった。
観念したようだ。
「学期末に単位がとれなくて赤色がつけばいいのに」
「その点は計算済みだ」
抜かりはない。
「呆れた…」
「勝手に呆れてんな」
幸い今日は2人とも私服。
無駄に背もあるから補導されることはない。
「水城何か変わった?」
「俺は昔からこんなだよ」
お前と遊んでた頃からな。
「じゃあ行くか」
「その前に手を離せ」
「無理」
「逃げないから」
「絶対に逃げるな、お前なら」
そんなことを話しながら俺らは歩き出した。