《水城side》
「で? 詳しく教えてくれない?
————俺がこんなことになってる理由をさぁ!!!」
俺と壁の間に挟まれた華鈴は吠える。
「叫んでも無駄だよ。 ここ完璧な防音だから」
今は昼休み。
ちょうど登校してきた華鈴の首根っこを掴んでここまで引きずってきた。
「そのセリフ確実に悪役っていうか、少女漫画に出てくる奴のセリフだよね」
「確かにw で、あれだろ? ヒロインが泣いたところでカッコよく男が乱入してくんだろ?」
「そうそうそれww」
和やかな笑顔を見せる俺と華鈴。
「まぁ、お前にそんな展開がくるはずないけどな」
「そだな………」
なんだか微妙な空気に。
「そういえばさ…お前」
「何だよ?」
「お前最近休みがちだけど何してんの?」
途端に華鈴の周りだけ時間が止まった。
いきなり核心をついてしまったらしい。
おい、と華鈴の体を揺さぶるも反応無し。
「そんな隠したいことなのか?」
「そうゆうわけじゃねぇんだけど…何ていうか、その」
我に帰った華鈴がボソボソと言う。
「ん?」
ここで問いつめてはいけない。
そう考えた俺は優しく促す。
だけど華鈴はそんなの御構い無しに言った。